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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

日米経済格差がもたらす日本人選手の新たな価値 圧倒的円安でMLBには“激安ランチセット”価格

公開日: 更新日:

 しかも、今季の開幕時点での大リーグの選手年俸の平均が498万ドルなのだから、4713万円と過去最高を記録した日本プロ野球の平均年俸との差は大きくなっている。

 例えば、今年4月期のナショナル・リーグ月間最優秀新人賞に選ばれた今永昇太(カブス)の年俸は900万ドルである。日本では破格の高給ながら、大リーグでは上位100位にも入らない。これは、カブスが平均年俸の2倍足らずの金額で顕著な実績を挙げた新人選手を獲得したことを意味する。

 もちろん、マイナー契約の場合は大リーグに昇格しない限り日本での待遇を下回る年俸しか手にできない。

 それでも、日本からの選手の場合、大リーグへの昇格に伴って契約が変更されれば最低保証年俸74万ドルを超え、平均年俸相当の金額となることがほとんどである。

 かつて、大リーグ各球団にとって日本からの選手を獲得する際には、大きな投資という懸念がぬぐえなかった。

 しかし、今やあたかも訪日客にとって驚くべき安さのランチセットのように、各球団にとって日本人選手は手頃な年俸で活躍が期待できる存在となっているのである。

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