綱とり黄信号…稽古総見で精彩欠いた大関・大の里に足りない「プロの土台」
前日は二所ノ関一門の連合稽古を体調不良で休むなど、この日が6日ぶりの本格的な稽古。明らかな稽古不足ならば致し方ない……と言いたいところだが、前出の親方は「そもそも、3月場所後の巡業でも動きが悪かった」と、こう続ける。
「前々から、プロ力士としての土台がまだできていないのではないか、という声はあった。大相撲はプロ野球などの競技と異なり、オフ期間というものがない。1年通して本場所と巡業が連続し、それが何年も続く。付け人や初っ切り、甚句などをしない幕下以下の力士は基本、巡業に参加しないので、本場所が終わればみっちり稽古を積む。そこにいくと、学生横綱の大の里は幕下付出10枚目からスタートし、入門3場所目は早くも新十両。土台を作る時間が乏しかったのは事実でしょう。現在は蓄積された疲労がピークに達しているのかもしれない」
巡業でも稽古はできるものの、部屋にいる時ほど番数はこなせず、体育館やコンクリートの床の上ではしこやすり足の感覚も異なる。さらにテッポウ柱もない。
11日の本場所初日まで、1週間強。どこまで調子を取り戻せるか……。