僕は悔しくて大粒の涙…藤田寛之さんの専属時代にたった一度だけ反抗した「朝食事件」
最近のピリピリ感にストレスを感じていた僕は、初めて反抗的になってしまったのです。その後は口論になり、僕は悔しくて大粒の涙を流しました。
僕の泣き顔を見た藤田さんは「今日はもう行けないだろ。ホテルにいろよ」と言う。そのまま自室に戻ってからは、専属キャディーがいなくて困っていないか、僕がいないことをみんなにどう説明してるのか、仲直りするにはどうすればいいかなど、いろいろ考えていました。
翌日は2人で試合会場へ向かいました。昨日の今日ですから車中では気まずい雰囲気でしたが、ゴルフ場に着くとキャディー仲間や顔見知りの選手たちが「体調は大丈夫か?」「もう治ったの?」と声をかけてくる。前日、藤田さんが「梅は体調不良で休んでいるんだ」とみんなに話してくれていたのです。
これで僕のモヤモヤは解消され、気分よく初日を迎えました。藤田さんも気が晴れたのか、初日69で首位タイに並ぶと3日目までトップを譲らず、1997年以来のツアー2勝目が見えてきました。
その藤田さんを逆転しようと3日目、2位に浮上してきたのが伊沢利光さんです。前月のマスターズは2日目と最終日に66、67をマーク。優勝したT・ウッズに6打差の4位でした。
このダイヤモンドカップも初日5オーバー116位で予選落ちの危機にありながら、2日目から68、64と爆発。最終日はまさかの最終組で藤田さんと優勝を争うことになったのです。