阪神が警戒!今オフFA近本光司に「巨人の誘惑」…昨年も大山獲り画策、もう両球団に“聖域”はない
大山に5年総額20億円は「払いすぎだった」
巨人の近本取りは絵空事ではない。巨人は昨年、阪神の主砲・大山悠輔(30)の獲得に乗り出した。FA制度が導入された1993年以降、巨人が阪神のFA選手を獲得した前例はなかったが、一時は移籍は確実とまで言われた。在阪の放送関係者はこう言う。
「巨人はメジャー移籍を希望する岡本和真の流出に備える必要はあったものの、阪神の選手にとって、永遠のライバル球団である巨人へのFA移籍は、<聖域>を侵すようなもの。さすがの巨人も大山を取りにいくことはないし、大山も巨人にだけは移籍しない、ともっぱらだった。しかし、巨人は昨年の早い時期から大山の調査を進め、関係者に接触するなど、本気で獲得に乗り出した。結果的に大山は阪神に残留したものの、現役ドラフトも導入された今、巨人と阪神の間に横たわっていた聖域は崩壊しつつあります」
もっとも、阪神にとってもチームの顔である近本の残留は至上命令だ。
さるプロ野球OBは、「近本は残留するとの見方が多いのは確かですが、巨人にも付け入るスキはあるでしょう」と、こう続けるのだ。
「近本は昨オフの契約更改で単年、複数年の両方を提示され、単年を選択。『今年は大事な年』と口にしており、FA権を取得したうえで複数年契約を結びたい。関東出身の大山とは違い、近本は地元の関西出身。今年11月で31歳を迎え、必ずしも超長期の契約を望んでいるわけではないとも聞く。ただ、阪神としてはできるだけ条件を抑えたい事情がある。昨オフ、大山と5年総額20億円規模の大型契約を結んだものの、巨人の参戦によって当初の4年総額16億円から大幅に上方修正した。その大山は、今季ここまで、打率.259、1本塁打といまひとつ。
親会社、球団内には『払い過ぎだった』と見る向きもある。しかも親会社である阪急阪神ホールディングスの25年3月期決算によれば、阪神球団などのスポーツ事業を含むエンターテインメント部門の営業損益は約27億円(19.2%)の減収だった。今季年俸3億7000万円の近本への提示額は当初、6年30億円規模になるとの見方もあったが、4年20億円程度に落ち着くかもしれない。金満球団の巨人なら、昨年の大山と同様、阪神以上の条件を提示するでしょう。実際、大山には阪神を上回る5年25億円規模のオファーを出している。阪神は巨人の動きを警戒せざるを得ません」
水面下では早くも、虎のリードオフマンを巡る綱引きが始まっている。