メジャーでは野球賭博に負けた腹いせで選手への脅迫が多発、誘拐事件に発展することも
治安の悪い中南米ではオンライン脅迫ではなく、メジャーリーガーやその家族が身代金目的で犯罪者集団に銃で脅されて誘拐される事件が起きている。
2011年11月には当時ナショナルズの正捕手だったW・ラモスが母国ベネズエラに帰国中、自宅付近でベネズエラ人とコロンビア人からなる犯罪者集団に銃を突きつけられて誘拐され、山奥の一軒家に監禁された。有名選手になっていたラモスの失踪はたちまち大ニュースになったため、野球好きで知られる独裁者のチャベス大統領が特殊部隊に救出を命じ、誘拐から2日後に特殊部隊が犯罪者集団のアジトを急襲。身代金要求を出す前に犯人たちは一網打尽にされ、ラモスは無事に救出された。
同じベネズエラで18年2月には、当時パイレーツの捕手だったエリアス・ディアス(現在はパドレスの正捕手)の母アナさん(当時76歳)が身代金目的で誘拐される事件が発生した。ディアスはキャンプ直前でフロリダに来ていたが、母が誘拐されたという知らせを聞いて仰天。すぐ帰国便の手配に入ったが、帰国以前に現地の警察が6人の犯人を拘束し、母アナさんは無傷で解放されたというニュースが飛び込んできたため、電話で涙ながらに母の声を聞くことができた。事件がスピード解決したのは6人の犯人のうち、5人が麻薬取締班に所属する現職警察官で、そこから犯行が捜査班に漏れたからだ。