ロッテ1年目、伊良部秀輝の悲鳴「金田監督はホンマえぐい。オレは競走馬やない…」

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 甲子園で春夏連覇を果たしたボクらは、プロにも注目される存在になっていた。が同じ世代で、伊良部だけは別格だった。

「実はオレ、ガキの頃から何かといえば、おまえと比べられた。そのおまえは甲子園で春夏連覇やろ。オレは20歳までおまえを目標に野球をやっていたんやで」

 つい先日、一緒に食事をした伊良部にこういって持ち上げられた。しかし、ボクの方こそ伊良部を初めて見た小学生の頃から、「モノが違う」と感じていた。

 伊良部は中学時代、ショートも守っていた。すでに身長は180センチを超えていたが、その大きな体からは想像できないほど、軽やかなフットワークを見せ、手首が柔らかいのか、難しい打球も吸い込むようにグラブに収めていた。豪快なフォームからすさまじいボールを投げるマウンド上とは打って変わった軽快な動きで、運動能力の高さと器用さを感じさせた。

 プロの評価も伊良部が上だった。巨人に1位指名されたボクの年俸は480万円。ロッテに1位指名された伊良部は540万円だった。正式契約の数日後、伊良部の入団を報じる新聞でそれを知ったボクは、失敗した、もう少し粘ればよかったと思った。今度はボクが伊良部の背中を追うことになったのだ。

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