ドジャース大谷翔平を支える「逆境はね返す底力」…花巻東から日本ハム、メジャーでスポ根エピソードずらり

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疲労困憊の試合後でもウエートトレ欠かさず

大谷は最初から投打に飛び抜けた存在だったわけではない。

 花巻東高3年時のセンバツは、初戦の大阪桐蔭戦で藤浪(現DeNA)から本塁打を打ったものの、投げては8回3分の2を11四死球9失点とボロボロだった。

 花巻東の後輩で、元日本ハムの岸里亮佑さんはセンバツ後の大谷の変化についてこう言っていた。

「センバツで負けたからといって、悔しがるところは見せませんでしたね。逆に、夏は取り返してやろうと、次の日から闘志むき出しで練習してました。センバツが終わって(岩手に)帰ってすぐ、山梨遠征のピッチングなんか圧巻です。気持ちが出てる感じでした」

 センバツの借りは夏に必ず返す。強烈な反骨心が夏の岩手大会準決勝、対一関学院戦の160キロにつながった。

 プロに入ってからも1年目から投打の壁にぶつかった。「筋肉がないとできない技術やメカニズムがあるので、技術をうまくするためのフィジカルだと思う」と、ウエートトレーニングで必要な体をつくり、技術を身に付けた。その結果が2016年の2ケタ勝利、2ケタ本塁打、CSの165キロにつながり、チームを日本一に導いた。

 海を渡ってからはメジャー1年目のスプリングトレーニングでいきなりつまずいた。

 投げては2試合、計2回3分の2で9安打9失点、防御率27.00。打っては計32打数4安打の打率.125、本塁打0、打点1。地元メディアからマイナーで調整させるべきとたたかれたものの、そこから這い上がった。特派員のひとりがこう言った。

「大谷は渡米後、体がひと回りも、ふた回りも大きくなった。1年目のスプリングトレーニングが散々な結果に終わり、メジャーのパワーやスピードについていくために筋肉のさらなる必要性を痛感した。2023年のWBCでは、日本代表メンバーだったヌートバー(27=カージナルス)が試合後の筋トレで500ポンド(約227キロ)を何度も軽々と持ち上げる大谷の姿に仰天しています。底なしのパワーも、卓越した技術も、それを支える肉体があればこそ。大谷が疲労困憊の試合後にもかかわらずウエートトレーニングを欠かさないのは、好きな野球で誰にも負けたくないという強い気持ちがあるからですよ」

 大谷のその強い気持ちが底力を生み出しているようなのだ。

  ◇  ◇  ◇

 そんな大谷の存在感、発言力はドジャース内に収まらず、その一言で、今やオリンピックの野球ルールまでも変える勢いだという。いったいどういうことか。どんなルールになりそうなのか。その発言とは。

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