センバツ切符のかかった秋季関東大会の横浜戦…心中覚悟で「1年生左腕」を投入した理由
横浜打線は隙がなく、全員が本塁打を打つような迫力がある。これは私の勘ですが、145キロ前後の球速帯が最も打たれやすいと踏んでいた。最速140キロ程度の小林なら、相手もタイミングを合わせにくいはず。そこにカーブなどで緩急を加えれば勝機はある--。すべてを総合して、専大松戸の投手陣の中で誰よりも横浜打線と相性がいいと判断しました。
試合を見てくださっていた高校野球ファンはヒヤヒヤしたことでしょう。初回から四球2つの不安定な立ち上がり。六回に3点をリードしたものの、七回には2点差に迫られた。点差が動かないまま迎えた九回は、先頭打者への死球を皮切りに1死二、三塁の大ピンチ。さらには逆転の走者まで出しました。
それでも私が投手を代えなかったのは、最初から小林と心中するつもりだったからです。たしかに試合終盤は疲労でヘロヘロになっていた。それでも、他のどの投手よりも小林が抑える可能性が一番高いという確信は、最後の最後まで揺るがなかった。
終わってみれば、181球の粘投。被安打10、10四死球と、全イニングで走者を背負いながら、わずか2失点。よく踏ん張ってくれました。


















