「巨人にコンプレックスがあったんだ」 日本シリーズで米田哲也、梶本隆夫らが通用しなかった理由
後楽園球場に舞台を移して第3戦、足立、梶本が長嶋にホームランを打たれ試合を落とす。立教大学の大先輩・長嶋について森本が語る。
「憧れの人だったからね。シリーズでの打撃練習で、西宮球場のレフトスタンドにボコボコほうり込んでいたのを覚えているよ」
そして問題の第4戦が始まった。巨人・高橋一三、阪急・宮本の投げ合い。この試合前、巨人側はフリーバッティングで宮田征典投手をマウンドの2メートル前から投げさせている。宮本の並外れた速球を攻略するためだ。しかし、打撃練習の効果もなく、スコアボードに0が刻まれていく。阪急は2回表に高橋一から長池徳士が先制ソロホームラン、3回表に阪本敏三の二塁打で1点追加。4回表、二番手の渡辺秀武から石井晶がホームランを打ち、3-0と点差は開いた。
4回裏、日本シリーズ史上に残る大騒動が起きる。きっかけは先頭打者・土井正三のショート強襲のヒットだった。
(中村素至/ノンフィクションライター)



















