「断絶の都市センダイ」今野晴貴著

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 東日本大震災後に行われた復興支援は、被災者の生活再建への役割を本当に果たしているのか。本書は、NPO法人POSSE代表である著者が、仙台で支援を行うなかで見えてきた被災地の実態を赤裸々に暴いた一冊だ。

 生活基盤が奪われた被災者は、「絆」だの「がんばろう」だのと鼓舞されながら、無理な条件での自立が求められた。そして今や自立できない者は努力しないと非難され、被災者同士ですら分断されている。復興の名のもとに行われたのは、復興予算の被災地外への流用、単発イベントを実施して帰っていくイベント型支援、生活できない低条件の雇用の増加、助成金を食い物にする偽善ビジネスの横行など、支援とはかけ離れたものばかりだ。

 これらは、働き手にむちゃなノルマを課して、うつ病になるまで酷使した揚げ句、脱落者を「甘え」と非難するブラック企業と同じ構図だと指摘。ブラック国家と成り果てた日本のおぞましい実態が被災地から見えてくる。
(朝日新聞出版 1500円)

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