「7本指のピアニスト」西川悟平著

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 それでも彼は立ち上がる。なんとか動かせる左右の指で、指づかいを試行錯誤しながら、独自の奏法を編み出していく。ゆっくり時間をかけて練習するうちに、動く指は7本にまで増えた。そして、7本指であることを隠して演奏した会場で、満場のスタンディングオベーションを受ける。彼の音楽は確かに聴衆に届いたのだ。

 決してあきらめないこと。そうすれば不可能は可能になる。力強いメッセージがまっすぐに伝わってきた。

(朝日新聞出版 1500円+税)

【連載】人間が面白い

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