「亡国記」北野慶著

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 2017年、深田翠は島岡原発即時停止を求める10万人分の署名簿をもって中部電力の本店を訪れた。政府が次々と原発を再稼働させていたのだ。だが、特別公安刑事に阻まれて目的を果たせず、島岡原発近くのホテルに泊まり、翌朝、激しい揺れに襲われる。原発の方向から青白い閃光が駆け抜けた。その頃、翠の夫、大輝は島岡原発が爆発したことを知り、息子の陽向を連れて国外へ避難しようとする。人々は北海道と九州に避難し、ボートピープルとなって国外脱出を図る者も。その隙をついて本州、四国を米軍が、北海道をロシア軍が、九州を中国軍が占領した。

 リアリティーに満ちた近未来ノベル。(現代書館 1700円+税)

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