【介護はつらいよ】超高齢化時代に避けられない介護。世話をするのもされるのも厄介なのが介護だ。

公開日: 更新日:

「家族のための高齢者住宅・老人ホーム基礎講座」濱田孝一著

 高齢者介護は本人もさることながら、実は家族の大問題というのは経験者なら誰もが知る事実。ホームに入れるのは気が引けるが、24時間介護はほぼ不可能といった場合、施設の選び方がどうしても表面的な快適志向になりがち。しかし本書はホームをシビアに「商品」として見るにはどうしたらいいかを教えてくれる。

 たとえば特定施設入居者生活介護が適用された介護付き有料老人ホームは、報酬や費用が月額で包括的に算定されるため、特殊なサービス以外はどれだけ介護を受けても費用は同じ。それゆえ柔軟な対応が欲しい中・重度のケースに適しているが、通所リハビリなど外部のサービスは受けられないため、一日の流れがホーム主導になりがちという。

 またよい施設の見分け方のひとつが、事前の見学時に対応の難しい質問やニーズをわざと投げかけてみること。たとえば転倒や転落などの質問に対して具体的な対策を語るかどうかで誠意がわかる。「事故ゼロを目指しています」など曖昧な返事は要注意。こんな細部にわたる懇切な情報が実にありがたい実用性満点の好著。(花伝社 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち