【介護はつらいよ】超高齢化時代に避けられない介護。世話をするのもされるのも厄介なのが介護だ。

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「家族のための高齢者住宅・老人ホーム基礎講座」濱田孝一著

 高齢者介護は本人もさることながら、実は家族の大問題というのは経験者なら誰もが知る事実。ホームに入れるのは気が引けるが、24時間介護はほぼ不可能といった場合、施設の選び方がどうしても表面的な快適志向になりがち。しかし本書はホームをシビアに「商品」として見るにはどうしたらいいかを教えてくれる。

 たとえば特定施設入居者生活介護が適用された介護付き有料老人ホームは、報酬や費用が月額で包括的に算定されるため、特殊なサービス以外はどれだけ介護を受けても費用は同じ。それゆえ柔軟な対応が欲しい中・重度のケースに適しているが、通所リハビリなど外部のサービスは受けられないため、一日の流れがホーム主導になりがちという。

 またよい施設の見分け方のひとつが、事前の見学時に対応の難しい質問やニーズをわざと投げかけてみること。たとえば転倒や転落などの質問に対して具体的な対策を語るかどうかで誠意がわかる。「事故ゼロを目指しています」など曖昧な返事は要注意。こんな細部にわたる懇切な情報が実にありがたい実用性満点の好著。(花伝社 1700円+税)

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