「雇用崩壊」森永卓郎氏

公開日: 更新日:

正社員でも管理職でも逃げ切れない

 国税庁による2014年の「民間給与実態統計調査」では、日本国民の平均年収は415万円。

 しかし、これはごく一握りの高所得者が平均を引き上げている結果であり、実際に最も人数が多い層が年収300万~400万円で17.3%。次いで多いのが年収200万~300万円の16.9%である。中流層の崩壊による日本人の貧困化は、着実に進んでいることが分かる。

「私が『年収300万円時代を生き抜く経済学』という本を書いたのが13年前のこと。当時はそんな時代は来るわけがないと言われましたが、いまや年収300万円はごく当たり前になってしまいました。しかし、日本人を待ち受ける未来は、実はもっと過酷なもの。その元凶が、アベノミクスの成長戦略による、弱肉強食社会の加速化です」

 本書では、安倍政権がもたらす、日本社会の安定基盤の崩壊について詳細に解説している。著者が“3本の毒矢”と呼ぶ制度変更は、多くの国民が理解しておらず、また大マスコミも報じない。しかし、“普通”のサラリーマン生活を消滅させ、一般庶民を確実に奴隷化する制度であることが分かるはずだ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…