「名医は虫歯を削らない」小峰一雄著

公開日: 更新日:

 虫歯になったら歯医者で歯を削る。誰もが当たり前と思っているこの治療法が、実は歯を失わせる原因だと警告する。著者は、TBSの人気番組「これが世界のスーパードクター」でもお馴染みのカリスマ歯科医だ。

 歯の表面はガラスのような性質を持つエナメル質で守られているが、ガラスに衝撃が加わるとヒビが入るのと同じように、虫歯を削ると歯全体に目に見えない無数のヒビが入る。そして、新たな虫歯になりやすくなるほか、やがてヒビが大きな亀裂となり、折れたり抜けたりしてしまうのだという。

 だとしたら、なぜ多くの歯医者が虫歯を削るのか。答えは簡単で、現在の医療保険制度では歯を削らないと診療報酬がもらえず、長く治療に通わせた方が儲かるからだというから恐ろしい。

 本書では、著者が推奨するドックベスト療法と呼ばれる最新の虫歯治療法も紹介。殺菌作用がある薬を虫歯の穴に詰めることで虫歯菌を死滅させ、歯の再石灰化を促すもので、すでに著者は2000人以上の虫歯を削らずに治している。歯の残存本数は寿命にも大きく関わるといわれる。今すぐ正しい虫歯治療を選択しなくては。(竹書房 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「NHKの顔」だった元アナ川端義明さんは退職後、いくつもの不幸を乗り越えていた

  2. 2

    永野芽郁の「文春」不倫報道に噛みついたGACKTさんは、週刊誌の何たるかがわかっていない

  3. 3

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  4. 4

    元NHK岩田明子は何をやってもウケない…コメントは緩く、ギャグはスベる、クイズは誤答

  5. 5

    ウクライナ出身力士 安青錦がすべてを語った…単身来日して3年、新入幕で敢闘賞

  1. 6

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  2. 7

    奥さんが決断してくれた…元大関の小錦八十吉さん腎臓移植を振り返る

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    のんを襲った"後輩女優の二股不倫報道"の悲劇…カルピスCMめぐる永野芽郁との因縁

  5. 10

    Mrs.GREEN APPLEとディズニーのコラボに両ファン懸念…売れすぎた国民的バンドゆえの"食傷感"