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「モディが変えるインド」笠井亮平著

■剛腕モディ首相のもとで一気に存在感を強めるインド。中国を追い抜く経済発展も、早晩期待される。

 かつて世界最貧に近かったインドが急成長を遂げたのは90年代。規制緩和を進め、やがて世界の注目が集まる。そこへ登場したのが2014年の国政選挙の勝利で政権の座についたモディ現首相。たたき上げの庶民派でカリスマ的な人気を持つ剛腕政治家だ。

 このモディを軸に、中・印・パキスタンへの駐在経験を持つ元外交官が描く現代インド史が本書だ。

 駅でチャイ(茶)を売っていた子どもがヒンズー民族主義組織で頭角を現し、国政のトップに。就任から2年後の昨年11月には紙幣切り替えの荒療治を敢行。長年社会にはびこってきた汚職と脱税の膿(うみ)を押し出した。

 経済危機が懸念されたが、高額紙幣の切り替えは貧しい庶民には無関係で混乱は最小限。ますます政権基盤を盤石にして国際的な注目を集めるモディ・インドの迫力が伝わる。(白水社 2200円+税)

「最後の超大国インド」平林博著

 インド駐在大使を長年務めた著者によるインド紹介。言語・民族・宗教・階級が複雑なインド社会を一から知るのに適している。

 18歳以上の有権者人口だけで8億1400万人にのぼるインドは「世界最大の民主主義国」。主要民族もアーリア系、ドラヴィダ系、モンゴロイド系が複雑に混血し、国の公用語はヒンディー語だが、州単位の公用語はパンジャーブ語、マラーティー語、ベンガル語、タミール語などがずらり。

 他方、歴史的にも親日国で、核実験の時期にぎくしゃくしたのを除くと一貫して友好関係が維持されている。教科書的なインド入門。(日経BP社 1700円+税)

「塩とインド」神田さやこ著

 インド人はタフでがめつい交渉相手として悪名高い。理由の一端は長年にわたる英植民地支配。その例証となりそうなのが本書だ。

 インドが近代へ移行する1830年代に、インドを植民地支配した東インド会社がどのようにベンガル地方の製塩事業を収益源とし、それがどう構造変化したかを論じた経済史の専門書。塩の専売制度をとった政府が儲け主義で高価格政策をとったことが「塩バブル」をもたらし、専売制度の廃止につながる。

 インド経済史を、地道な学問的方法を取りながら、財界小説さながらのスリリングな展開で描いている。(名古屋大学出版会 5800円+税)

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