「ハリケーン」高嶋哲夫著

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 首都直下地震を想定した「M8」、東海・東南海・南海地震の同時発生を警告した「TSUNAMI 津波」など、自然災害を題材にしてきた著者が、常態化する異常気象の危機を訴える災害サスペンス小説。

 気象庁予報官の田久保は3年前に故郷の広島で起きた土砂災害で両親を失い、以来、土砂災害対策に忙殺され、家族を顧みる余裕がなかった。大手広告代理店に勤務する妻の恵美子も多忙を極め、一人息子の剛志はそんな両親に不満を抱くなど、家族間に亀裂が生じていた。

 そんな折、恵美子の母の認知症が悪化、一家はその介護のため多摩ニュータウンに転居することに。ちょうどその頃、記録的豪雨が続き、日本各地で土砂災害が起きていたが、そこへ大型の台風が接近、多摩地区の田久保家にも土砂災害の危険が迫っていた……。

 介護、不倫いじめといった家族間のドラマを中軸に据えながら、何が起こっても不思議ではない、異常気象状況下にある日本の災害対策に対して、強く警鐘を打ち鳴らしている。(幻冬舎 1600円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

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