「群青の魚」福澤徹三著

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 特養老人ホーム「敬徳苑」で働く清水穂香は、2歳の息子を抱えるシングルマザー。父親は行方知らずで母親は病気で亡くなっており、夫も高齢者詐欺の首謀者で前科者だったと知り離婚して、きつい介護の仕事で身を立てていたのだ。

 そんな穂香が夜勤の日、認知症である近江からのコールで部屋に駆けつけてみると、近江の向かいのベッドに寝ているはずの菅本が布団に顔を伏せていた。穂香が駆け寄るとすでに呼吸はなく、状況から何者かに殺されたとみられた。最初に現場に駆けつけたのは、交番勤務の新田と武藤。さらに刑事第1課の丹野と風間が加わり、第一発見者の穂香は執拗に取り調べられることに。

 しかし遺体から採取したDNAから入居者の男が犯人と割り出されたことで疑いは晴れ、一件落着かと思われた。ところがそのころ穂香は何者かから、執拗なストーカー被害に遭っていた……。

 2008年に「すじぼり」で大藪春彦賞を受賞し、実話怪談やホラー、アウトロー小説などを手がける著者による最新警察小説。

 高齢化社会の日本で、今すぐにでも身近で起こりそうな事件設定に引き込まれる。

 (光文社 1900円+税)

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