「R.S.ヴィラセニョール」乙川優三郎著

公開日: 更新日:

 フィリピンと日本の血を引く駆け出しの染色家のレイは、老舗呉服商との取引にこぎ着ける。そんなある日、父のリオががんで入院。手術を終え、退院するやリオは、フィリピンへ里帰りする。リオにとって弟妹はかけがえのない存在で、これまでも母の君枝を残し、単身で何度も里帰りをしていた。

 工芸展で作品が入賞し、レイが染色家として着実に人生を進める中、リオのがんが再発。再び手術を受け小康状態になったリオがまた里帰りをすると言い出した。

 心配したレイの知らせで、叔父のフェルが来日。レイはフェルから、マルコス時代に青春を送った父の過酷な過去を教えられる。

 メスティソ(混血)として生きてきたレイの芸術家としての葛藤と、家族の物語を描く長編。

(新潮社 550円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  3. 3

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    初の黒人力士だった戦闘竜さんは難病で入院中…「治療で毎月30万円。助けてください」

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が“本塁打王を捨てた”本当の理由...トップに2本差でも欠場のまさか

  4. 9

    “条件”以上にFA選手の心を動かす日本ハムの「圧倒的プレゼン力」 福谷浩司を獲得で3年連続FA補強成功

  5. 10

    吉沢亮は業界人の評判はいいが…足りないものは何か?