「おやすみの歌が消えて」 リアノン・ネイヴィン著 越前敏弥訳

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 6歳の男の子ザックが、小学校のクローゼットの中に、先生とクラスメートと一緒に隠れているところから物語は始まる。外からは、スター・ウォーズのゲーム音のようなパンパンパンという音が聞こえ、先生は静かにして動かないでと指示したまま身を固くしている。何が起きているのかわからなかったザックだったが、やっと解放された後に知ったのは、銃を持った男が小学校で発砲して犠牲者が出たこと。その犠牲者の中に自分の兄のアンディがいたことだった。

 兄の死によって、大好きな母は悲しみのあまりに変わってしまい、両親の関係も悪化する。幼いザックは兄だけでなく父も母も失ってしまったかのような変化に心を痛めながらも、本で読んだ家族が幸せになる秘訣を実践するのだが……。

 著者は、3人の子を持つドイツ出身のニューヨーカー。本書はデビュー作でありながら、17カ国で版権が取得された。銃乱射事件が絶えない世界で、人は何を感じどう生きるのか、子どもの視点から描いており、センセーショナルなニュースには映らない人間の弱さと温かさを感じさせる家族の物語となっている。

(集英社 2200円+税)


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