「銀の仮面」ヒュー・ウォルポール著 倉阪鬼一郎編訳

公開日: 更新日:

 ディナーパーティーの帰り道、ソニアは暗がりから現れた男に声をかけられる。警戒して振り切ろうとするが、空腹で妻子が待つ家に帰る気力がないという男の話につい足を止め、自宅に招き入れてしまう。男は目の覚めるような美男子だったが、貧相な服装から話は真実だと思わせた。

 出されたサンドイッチで腹を満たした男は、屋敷中に飾られた美術品に目を輝かせる。芸術への造詣を持ち合わせているらしい。中でもソニアがお気に入りの銀の仮面を褒められ、まんざらでもない。しかし、ソニアは男の帰宅後に大切なヒスイのシガレットケースがなくなっていることに気づく。

 江戸川乱歩が激賞したこの表題作をはじめ、13編を収録した英国人作家による短編集。

(東京創元社 1000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ブラタモリ」抜擢の桑子真帆アナ “金髪チャラ系”の大学時代

  2. 2

    巨人に漂う不穏な空気…杉内投手チーフコーチの「苦言連発」「選手吊るし上げ」が波紋広げる

  3. 3

    大の里、豊昇龍の両横綱も戦々恐々…「新怪物」加入で躍進止まらぬ伊勢ケ浜部屋の巨大戦力

  4. 4

    82歳で死去の橋幸夫さんが日刊ゲンダイに語っていた「佐川急便事件」と「統一教会」のバッシング報道

  5. 5

    星野監督は中村武志さんを張り倒した直後、3ランを打った隣の俺にも鉄拳制裁…メチャクチャ痛かった

  1. 6

    御三家の生き残り舟木一夫の“傷だらけの人生”と、兄貴分だった故・橋幸夫さんも太鼓判のサバイバル術

  2. 7

    小祝さくらは「加齢の影響」漏らしていた…ツアー6週連続欠場の深刻度

  3. 8

    (1)身内すらも“監視し欺く”情報統制…機密流出犯には厳罰、まるで落合博満監督のよう

  4. 9

    元幕内照強の“しょっぱい犯罪”に角界も呆れた…トラブル多数現役時代の「ヤンチャ」な素顔

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋