著者のコラム一覧
高橋邦尚ゆとりが丘クリニック 院長

1952年岩手県生まれ。岩手医科大卒業後、県立磐井病院、岩手医科大病院、都立駒込病院に勤務。米国のジョンズ・ホプキンズ大に留学。岩手県立中央病院放射線科医長を経て、1999年に岩手県滝沢市に「ゆとりが丘クリニック」を開院した。

(2)「最新医療」=「最先端の画期的治療」とは限らない

公開日: 更新日:

 ある日、患者さんからこんな相談を受けた。

「“膵がん”と言われました。手術を勧められましたが、やはりやるべきでしょうか? 出来ればやりたくないんですが……」

 落ち込む患者さんとあれこれ話し合った結果、私はその場で国立がん研究センターに紹介状を書いた。

 言い訳がましいが、開業医の立場では最新の医学水準を常に完璧に理解しているはずもなく、出来るだけ患者さんの納得を得られるような方法を取ることにしている。

 古い話になるが、私は東京の某がん専門病院に勤務していたことがある。ベッド数は1000床を超える有名病院だ。大学の教授から進行性膵がんに関する最新治療を勉強してこいとの命令だった。

 この施設での方針は、患者さんの膵臓及び周辺臓器を広範囲に切除し、そのまま専用のエレベーターで手術室から放射線治療室に運び、開腹したままの腹腔内に金属筒を設置して放射線を照射、その後、数カ月にわたって多種にわたる抗がん剤の投与をするという治療であった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ブラタモリ」抜擢の桑子真帆アナ “金髪チャラ系”の大学時代

  2. 2

    巨人に漂う不穏な空気…杉内投手チーフコーチの「苦言連発」「選手吊るし上げ」が波紋広げる

  3. 3

    大の里、豊昇龍の両横綱も戦々恐々…「新怪物」加入で躍進止まらぬ伊勢ケ浜部屋の巨大戦力

  4. 4

    82歳で死去の橋幸夫さんが日刊ゲンダイに語っていた「佐川急便事件」と「統一教会」のバッシング報道

  5. 5

    星野監督は中村武志さんを張り倒した直後、3ランを打った隣の俺にも鉄拳制裁…メチャクチャ痛かった

  1. 6

    御三家の生き残り舟木一夫の“傷だらけの人生”と、兄貴分だった故・橋幸夫さんも太鼓判のサバイバル術

  2. 7

    小祝さくらは「加齢の影響」漏らしていた…ツアー6週連続欠場の深刻度

  3. 8

    (1)身内すらも“監視し欺く”情報統制…機密流出犯には厳罰、まるで落合博満監督のよう

  4. 9

    元幕内照強の“しょっぱい犯罪”に角界も呆れた…トラブル多数現役時代の「ヤンチャ」な素顔

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋