要介護5の75歳男性患者…自宅に帰って、尿道バルーンを外せた!
骨髄異形成症候群という、造血幹細胞に異常が生じて正常な血液が作られなくなる病気により、週1回の輸血が欠かせない75歳・要介護5の男性患者さんがいらっしゃいました。
在宅医療では輸血を行わないクリニックもありますが、私たちのクリニックでは対応していたため、ご本人とご家族は自宅療養を選ばれました。
現在は奥さまと2人暮らし。同じ区内に住む娘さんも頻繁に顔を出されます。ADL(日常生活動作)は大きく低下し、平地を歩行器でやっと歩けるほど。入院を検討してもよい状態でしたが、ご家族の支えもあり、満を持して自宅へ戻ってこられました。
この方のように、日常の生活動作が低下していても、残された時間の中で、自分の生活を取り戻したいと、自宅での療養を希望される方は少なくありません。それは1人暮らしであろうと、ご家族と同居されていようと関係ありません。この方の場合は、そんな自分とご家族との時間を取り戻したい一心だったようです。初めてご自宅を訪問した日、奥さまは開口一番、うれしそうにこう話されました。