「人生の1冊の絵本」柳田邦男著

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 近年、絵本の世界が新しいルネサンス期を迎えており、多様な人生の課題について絶妙な回答例といえる作品が次々と生み出されている。大人でもじっくりと読むと小説とはまた異なる独特の深い味わいがあり、「この世は生きるのに値するのか」「亡き人の魂はどこにいるのか」など身近ながら深遠な課題にも答えてくれるという。人生に寄り添ってくれる、そんな絵本を紹介しながら、その深い魅力についてつづったブックエッセー。

 生まれつき右手の指がない長女を育てる蘆野家の支えとなった「さっちゃんのまほうのて」をはじめ、心の領域の問題を平易、的確に描き出す「きょうは、おおかみ」や、少女の“こころのひみつ”をテーマにした「ひみつのビクビク」など150冊もの絵本を網羅。

(岩波書店 980円+税)

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