「フランス怪談集」日影丈吉編

公開日: 更新日:

 66歳の老司祭ロミュオーは、問われるまま、若き日の奇怪な体験を語り出す。神学校を終え24歳で迎えた叙品式の最中、それまで信仰一筋に生きてきた彼は、参列していた美女に恋をしてしまう。美女は宮殿に住むクラリモンドという名の遊女だった。

 彼女が忘れられないロミュオーだが、数日後、代理司祭として町から遠く離れた村の教会に赴任。司祭としての務めを果たしながらも、彼女のことを思い1年が過ぎたある深夜、使者が現れ、ある身分の高い夫人が死に瀕して司祭に会いたがっていると告げる。終油を授ける用意をして、駆けつけたロミュオーが案内された部屋に寝かされていたのはあのクラリモンドの遺体だった。(テオフィル・ゴーティエ著「死霊の恋」)

 フランスの古い怪談を集めた作品集。

(河出書房新社 1100円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」