「アメリカの政党政治」岡山裕著

公開日: 更新日:

 周知のように、米国政治では民主党と共和党の2大政党が競い合っている。実は、米国の政党は、他の民主主義国のそれとは共通項が見当たらないほど独自なものだという。

 多くの国では、政党は統率された一個の組織だ。しかし米国の場合、両党とも州など地域単位の政党組織の連合体で、単一の組織とは言い難い。また各地の政党組織も、連邦・州議会の党所属議員がつくる組織も、その指導部が強制力を伴う指示を出せないことの方が多いという。そして、構成員に関する明確なルールも存在しない、まとまりの弱い柔構造で、党が一丸となって動くことはまずないそうだ。

 本書は、そんな2大政党が制度化されてきた歴史を振り返りながら、米国政治の本質に迫る。

(中央公論新社 880円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「マラソン」と「大腸がん」に関連あり? ランナー100人への調査結果が全米で大きな波紋

  2. 2

    “マトリ捜査報道”米倉涼子の圧倒的「男運」のなさ…海外から戻らないダンサー彼氏や"前科既婚者"との過去

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    大阪・関西万博「最終日」現地ルポ…やっぱり異常な激混み、最後まで欠陥露呈、成功には程遠く

  5. 5

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  1. 6

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 7

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  3. 8

    巨人の大補強路線にOB評論家から苦言噴出…昨オフ64億円費やすも不発、懲りずに中日・柳&マエケン狙い

  4. 9

    元体操選手の鶴見虹子さん 生徒200人を抱える体操教室を経営、“アイドル”も育成中

  5. 10

    地上波連ドラ3年ぶり竹内涼真に“吉沢亮の代役”の重圧…今もくすぶる5年前の恋愛スキャンダル