「占領下のエンタテイナー」寺島優著

公開日: 更新日:

 1967年、ピーター・ポール&マリーの2度目の来日コンサートでMCを務めたのが、著者の父、中村哲(さとし)である。日本移民の息子、中村は1908年、バンクーバーに生まれた日系カナダ人だ。

 グロブナー・ホテルでベルボーイをしていたとき、常連客のヒックスが声楽教師であることを知り、弟子入りする。戦後は進駐軍クラブで人気歌手となり、藤原歌劇団のオペラ「カルメン」に出演。また、日活の演技者養成所で演技も学んでいたため、異国趣味のトンデモ映画で「怪しげな日本人」を演じたり、その一方で「レッド・サン」などの国際的な映画にも出演したりしている。 

 英語力や演技力を生かして八面六臂の活躍をした、サリー中村の一代記。

(草思社 2500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした