「トラッシュ」増島拓哉著

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「BLOODY SNOW」はインターネットの自殺サイトを通じて集結した、自殺衝動に駆られた若者6人のグループである。みな、いじめや差別、親との確執などを受けていて、服毒自殺を図ったが、闇サイトで入手した薬が偽物だったため、失敗に終わった。

 その後、彼らは自殺ではなく、スリルに満ちた活動を行いながら華々しい死への邁進を目指す。反同性愛団体へのテロ、銀行強盗など、一貫性はない。手始めに覚醒剤の売人を襲って、薬と金を巻き上げようとしたが、薬の卸元の暴力団が他の暴力団の嫌がらせだと勘違いしたため拉致されて死ぬほど殴られた。

 自分たちを追い詰めた加害者に制裁を加える若者を描くノワール小説。

(集英社 1980円)

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