「トラッシュ」増島拓哉著

公開日: 更新日:

「BLOODY SNOW」はインターネットの自殺サイトを通じて集結した、自殺衝動に駆られた若者6人のグループである。みな、いじめや差別、親との確執などを受けていて、服毒自殺を図ったが、闇サイトで入手した薬が偽物だったため、失敗に終わった。

 その後、彼らは自殺ではなく、スリルに満ちた活動を行いながら華々しい死への邁進を目指す。反同性愛団体へのテロ、銀行強盗など、一貫性はない。手始めに覚醒剤の売人を襲って、薬と金を巻き上げようとしたが、薬の卸元の暴力団が他の暴力団の嫌がらせだと勘違いしたため拉致されて死ぬほど殴られた。

 自分たちを追い詰めた加害者に制裁を加える若者を描くノワール小説。

(集英社 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗