「ようこそ地獄、奇妙な地獄」星瑞穂著

公開日: 更新日:

 極楽往生するための方法をわかりやすくまとめたのが、平安時代の僧、源信の「往生要集」だ。私たちの生きているこの世界は汚れていて、地獄道、餓鬼道など六道に分かれていて、その地獄の様相を詳しく説明している。

 仏教の地獄のイメージはこれに基づいているが、平安時代には、「源氏物語」で嘘八百を並べ、読者を惑わせて地獄に落ちた紫式部を供養する「源氏供養」が行われた。その頃は、血みどろの乱世だったのだ。

 また、「江談抄」には、小野小町の祖父といわれる小野篁が閻魔大王に仕える冥官を務めていたと書かれている。他に、三途の川には黄金を塗った橋が架かっている(日本霊異記)など、地獄の情報がいっぱい詰まった一冊。

(朝日新聞出版 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁