「アフター・アベノミクス」軽部謙介著

公開日: 更新日:

 2012年に首相に返り咲いた安倍氏は、経済政策「アベノミクス」で長期低迷からの浮上を図った。

 しかし、在任中に目標の物価上昇率2%に達することはなかった。当初アベノミクスの看板となった「デフレは貨幣的な現象なのだから、金融緩和で克服できる」としたリフレ派の主張は、消費税引き上げで「デフレ脱却の勢いがそがれた」と変化し、今は「財政出動でもデフレは解消できる」と積極財政に変節。安倍氏自身も途中から金融政策に興味を失い、財政政策へ傾斜した。

 しかし、日銀に低金利を演出させ、歳出を拡大させたこの政策の副作用は、まだ明らかになっていない。

 アベノミクスの構造変化を検証しながら、異次元と言われたこの経済政策の「その後のその後」を描くリポート。

(岩波書店 968円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ