「人口減少時代の農業と食」窪田新之助、山口亮子著

公開日: 更新日:

「人口減少時代の農業と食」窪田新之助、山口亮子著

 日本の高齢化率は世界一の29.1%。30年後には人口1億人を割り込むと推計されている。

 この高齢化と人口減少が日本の農と食を大きく変えようとしている。人手不足で、人手に頼ることが多い野菜や果物ほど生産農家が減っている。さらに、見落とされがちだが、集荷や選別、配送など、農産物が消費者のもとに届くまでの工程にこそ危機が迫っているそうだ。

 しかし、著者らは人口減少はもろ刃の剣だという。これまでの生産や流通、消費のあり方を一部壊してしまう一方で、改革の推進力となるからだ。

 本書は、さまざまなデータから農と食の現状を明らかにしながら、物流や規模拡大、労働力不足などのテーマごとに、将来の人口減少を見すえた対策を、先行事例を取り上げ紹介するリポート。

(筑摩書房 1012円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁