「浄土思想」岩田文昭著

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「浄土思想」岩田文昭著

 仏教の浄土思想とは、「清らかな仏の国土である浄土に往生し、そこにおいてさとりをえて仏になる」という思想。経典にはさまざまな仏の浄土が描かれるが、日本でよく知られている阿弥陀仏が住む浄土に関する思想を論じたテキスト。

 多くの宗派では厳格な修行や善根功徳を積むことで仏になることを目指すが、それは容易ではない。一方の浄土教では、仏になるのにふさわしい環境である浄土を阿弥陀仏が用意し、そこに迎えとろうとしてくださると説く。阿弥陀仏の本願の力により、衆生が浄土に往生し、そこで仏になることを信じるのが浄土教だという。

 無上の悟りを得るため出家した国王が、阿弥陀仏になる「法蔵説話」など教典に描かれた物語や、法然や親鸞ら開祖の物語を読み解き、その思想の本質に迫る。

(中央公論新社 924円)

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