新たな切り口で再発見 名画鑑賞が楽しくなる本特集

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「キテレツ絵画の逆襲」三浦篤、森村泰昌著

「キテレツ絵画の逆襲」三浦篤、森村泰昌著

 本書の副題は「『日本洋画』再発見」。つまり“日本の洋画”という型破りな芸術について、その何たるかを分析する討論集である。

 明治から昭和初期まで、海外渡航が可能だったのはほんの一握りの選ばれた人々のみ。多くの画家の卵たちは、ヨーロッパから取り寄せられた一冊の画集を大切に回し読みし、わずかな情報から西洋絵画を学ぼうとしたが、当然限界があった。

 しかし、だからこそ生まれた予想外の成果もあった。正統と呼ばれる西洋美術史から見れば、奇妙でぶざまな作品だったかもしれない。しかし裏を返せば、既成の枠組みにおさまりきらない、驚嘆すべき“キテレツ”性に満ちた数多くの“日本洋画”という芸術が生みだされたと本書。

 赤い着物とおかっぱが印象的な、表紙にもある岸田劉生の「童女舞姿」、日本近代洋画の確立者とされる黒田清輝の影響力など、さまざまな作品を通して日本で描かれてきた洋画の魅力をひもといていく。 (新潮社 2750円)


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