新たな切り口で再発見 名画鑑賞が楽しくなる本特集
「名画のインテリア」小栁由紀子
「名画のインテリア」小栁由紀子
絵画といえば人物や風景に目が行きがちだが、本書で注目するのはインテリア。その時代の文化が鮮明になり、貴重な歴史資料としての側面も見えてくる。
狩猟を愛したフランス歴代の王たちは大の愛犬家でもあった。ルイ11世の愛犬は服を着て羽根布団で眠り、ルイ15世の愛犬は金とダイヤモンドの首輪をつけていたという。
そんな影響から貴族たちも犬を溺愛するようになり、その様子が分かる絵画がルイ=レオポルド・ボワイー作の「愛の苦しみ」だ。恋愛の様相をテーマに描かれた作品だが、背景には洒落た犬小屋とそこから顔を出す犬が描かれている。木製の土台にダマスク、ランパ、ブロカテルなどの高価な布が貼られ、中にはキルティングを施した暖かくて快適なマットが。金や寄せ木細工の装飾が施された犬小屋もあったという。
ほかにも、暖炉や鏡、ゆりかごに壁紙、そして屏風やうちわが描かれた西洋絵画の中のジャポニズムなど、60の室内装飾から名画を読み解いていく。 (創元社 3520円)



















