佐藤一磨(拓殖大学政経学部教授)
12月×日 実家に帰省する新幹線の中で、気になっていた田中世紀著「なぜ男女格差はなくならないのか」(講談社 1012円)を読む。男女格差については色々な本があり、差別化するのが難しいが、どうなのかと思いながらページをめくる。すると、「はじめに」の文章が流れるようにうまくて驚いた。凄いなと思って経歴を見ると、なんと同い年ではないか! しかし、同い年のおじさんの書いた文章に、別なおじさん(=私)が感動するという構図があると気づくと、やや気持ち悪くなってしまった。
さて、肝心の本の中身であるが、男女格差をこれまでにない新しい視点で分析しており、面白い。例えば、「女性は数学ができない」という考えが社会全体に浸透していると、それが女の子の行動に影響を及ぼす。女の子が算数に興味を持たなくなったり、算数の勉強に打ち込まなくなったりといった感じだ。これが「数学のできない女性」を再生産してしまう。また、ミシュランガイドにのるシェフに女性が少ないのは、家事・育児の負担が女性に偏っていて、必ずしも料理に打ち込めないからではないかとの指摘もあった。

















