著者のコラム一覧
本橋信宏作家

1956年、埼玉県所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。私小説的手法による庶民史をライフワークとしている。バブル焼け跡派と自称。執筆はノンフィクション・小説・エッセー・評論まで幅広い。2019年、「全裸監督 村西とおる伝」(太田出版)が、山田孝之主演でNetflixで映像化配信され大きな話題に。最新刊に、「東京降りたことのない駅」(大洋図書)、「全裸編集部」(双葉社)などがある

病床の堀江しのぶを守るため“天敵”梨元勝にメディア対応依頼

公開日: 更新日:

 タイムリミットが近づく。

 堀江しのぶの死がメディアに伝われば猛烈な取材攻勢が野田と堀江しのぶの両親に向かうだろう。野田は芸能人スキャンダルを追う側のリポーターの梨元勝とは相いれない側にいるのだが、あえて梨元にメディア側の仕切りを頼んだ。

「“今日が限度です”と医師から連絡が入ったとき、おれ、六本木のアマンドに梨元を呼んで頼んだのを覚えているんだ」

 野田の思いを察知した梨元勝は、自分だけが知ったアイドルの余命をスクープすることもせず、メディア側の対応を仕切る約束をした。

 余命は今日限りと告げられていた。

 野田は愛車、中古の真っ赤なスプリンターを駆って東名高速をひた走る。

 しのぶ、よくやったよ。

 おまえ、えらいよ。

 猛スピードで飛ばす。

 いくら飛ばしても景色は止まっているかのようだった。名古屋インターを降りて入院先の中京病院に車を滑り込ませた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"