著者のコラム一覧
三遊亭鬼丸落語家

昭和47(1972)年生まれ。長野県上田市出身。平成9年、三遊亭円歌に入門。前座名は「歌ご」。平成12年、二つ目に昇進し「きん歌」に改名。平成22年、「三遊亭鬼丸」襲名で真打ち昇進。NACK5「ゴゴモンズ」メインパーソナリティー。

しゃべりだけで泣かせる“人情噺”は話芸の極みと言えますが

公開日: 更新日:

 年の瀬になるとクラシック音楽業界はベートーベンの第九が有名ですが、我々落語界も年末恒例の噺(はなし)がありまして、それが「芝浜」。歌舞伎の演目にもなっている名作落語、あまり落語を知らない人でも題名ぐらいは聞いたことがある人情噺の代表格です。今回は人情噺の落語家とお客さんの認識について書かせてもらいます。

 人情噺をやる落語家のことをお客さんは名人上手と褒め称え、若手が取り組めば大ネタに挑戦なんて好意的に受け取られます。確かに座布団の上、たった一人のしゃべりだけでお客を泣かせるというのは話芸の極みと言えるでしょう。やってる噺家も気持ちがいいんです。人情噺を聴いて噺家を志した、人情噺がやりたくて噺家になったなんてのもいることはいるのでしょう。でも落語家側から見ると、これは私見ですが、そんなに人情噺の比重って大きくなくて、こっちの引き出しも持っておこうかなぁって感じなんですよね。実際に人情噺の名人っていう表現はあまり聞きません。名人は滑稽噺でも名人だから。そしてお客さんとの認識の違いで、プロにとって演じるのが難しいのは人情噺より滑稽噺なんですよ。「バカいうな! 人情噺の方が難しいだろ!」という声が聞こえてきたので解説しましょう。渥美清さんや伊東四朗さんらの喜劇人は泣かせる芝居もうまいのがいい例ですかね。悲劇人っていうのがいるのかどうかはわかりませんが、もしいたとして、その悲劇人は笑わせることができるのでしょうか。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジとTBSは「朝8時戦争」“初打席”で空振り三振…テレ朝「羽鳥慎一モーニングショー」独走いよいよ決定的

  2. 2

    NHKドラマ10「魯山人のかまど」は早くも名作の予感! 藤竜也は御年84歳、枯れてなお色香漂う名演技

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    フジ「月9」ドラマ初主演の北村匠海 映画では“共演者連続逮捕”のジンクスに見舞われたが…

  5. 5

    ローム、東芝・三菱電機が統合へ…パワー半導体をめぐる3社連合をデンソーが買収か

  1. 6

    元参院議員・野末陳平さん94歳 大病知らずだったが、2年前に2度の全身麻酔手術を経験

  2. 7

    中島裕翔に新木優子と熱愛報道 ファンから囁かれるHey! Say! JUMP脱退の背景と“問題児”の過去

  3. 8

    新木優子と結婚した中島裕翔は大正解! 吉田羊との“合鍵愛”報道から10年目…

  4. 9

    高市首相が自衛隊派遣めぐり安倍側近と壮絶バトル→「クビ切り宣言」の恐るべき暴走ぶり “粛清連発”も画策か

  5. 10

    「高齢者=賃貸NG」は思い込みだった? 家主が恐れる“4つの不安”を解消する方法