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佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

<2>検査を受けて晴れ晴れとした気持ちになれた

公開日: 更新日:

 ただ、日本での検診率は30~40%と低く(がん種によって違います)、キャンペーンをしてもなかなか増えていません。医療制度の違いもあると思いますが、アメリカやイギリスなどでは乳がん・子宮がん検診率は70%以上にも及びます。

 検査を受けてがんがなければ、すっきりと晴れ晴れとした気持ちになれます。私もそうでした。

 もし、がんが見つかったとしても、「いま、見つかってよかったんだ」と考えるべきだと思うのです。がんは1期から4期に分けられますが、1期(早期がん)であれば、胃がんでの5年生存率は99・1%、結腸がんで92・3%、直腸がんでは97.6%です。ほとんどが“助かる”といえるのです。

 もし、治療となって心配があれば、ぜひ担当医に聞いてみてください。自分の体のことです。遠慮はいりません。

「ここの病院では、私のがんのステージでは5年生存率は何%ですか? ここ5年間で、手術で重篤な状態になった方は何%ですか? 亡くなった方はいらっしゃるのでしょうか?」

 クリニカルインディケーターといって、その病院の最近の治療成績をホームページに公表している病院もありますから、ぜひ参考にしてください。

 早く晴れ晴れとした気持ちに戻るためにも、早く治療を始めて早く治癒するためにも、検診は大切なのです。

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