著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

男性の胃がん患者は80歳以上でも年間2万人超 予防法は?

公開日: 更新日:

 男性のほうが胃がんにかかりやすいことがよく知られています。新規患者数で女性の2.2倍、死亡数で1.9倍も多いのです。そこで男性の新規患者数、各手術件数、死亡数を年齢別にして、表にまとめてみました。

 患者は30代にもいますが、29歳以下ではごくまれです。しかし40代から増え始めるため、胃がん検診は40代からとされています。そして、50代に入ると一気に増加していきます。ピークは70代で、80歳以上でも、年間2万人以上に達しています。肺がんと同様、胃がんも最大のリスク因子は加齢というわけです。ただ、そう言ってしまっては身もふたもありません。ピロリ菌の感染や食塩の取りすぎは胃がんのリスクを高めるといわれていますから、できる範囲で予防を心がけるべきでしょう。

 胃がんには放射線や抗がん剤があまり効きません。そのため、積極的に手術を行います。たとえば70代の新規患者約3万3000人に対して、手術件数の合計は約3万1000件。ほとんど全員が手術を受けた計算になります。

 とはいえ70代の手術の半数は内視鏡、つまり患者の半分近くは「上皮内がん」だったというわけです。そうと分かってしまえば、少し安心できそうです。ただ、残りの約1万7000人は「本物の」胃がんだったと思われます。しかも70代の胃がん死は約1万1000人に達しているのです。つまり、高齢で「本物の」胃がんと診断されてしまったら、それなりの覚悟が必要になるということです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは