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シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

トランプが待った? 「カロリー表示」ドタキャンの波紋

公開日: 更新日:

 全米レストランチェーンに義務付けられるはずだった「カロリー表示」が施行4日前に突然撤回され、レストラン業界に混乱が広がっています。

 米国では現在、国民の74%が太り過ぎ、36.5%は肥満症です。そこでニューヨーク市では、2008年から全米20店舗以上のレストランチェーンに対し、カロリー表示を義務化しました。

 続いて、米食品医薬品局がこの動きを全米レベルに引き上げようと、オバマ政権時代にレストランチェーンとコンビニエンスストアのメニューのカロリー表示を決定。今年5月からの施行のために準備を進めていたのです。

 ところが、今になって突然「施行停止」となり、大金をかけて準備を済ませていた多くのレストランチェーンは頭を抱えています。そのまま自主的にカロリー表示に踏み切ったチェーンもあります。

 なぜ、このようなことが起こったのでしょうか? 共和党のトランプ政権は、発足直後からあらゆる規制緩和を行ってきました。中でも、全米で展開するピザ・レストランチェーンの強力なロビー活動があったからだと伝えられています。こうした食品業界は、自由な経済活動の妨げになるとして、カロリー表示を義務付ける動きに反対し続けてきたのです。

 カロリー表示をドタキャンした食品医薬品局の釈明も、「よく分からない」と批判を浴びています。「国民に負担を与えない方法で、もっと役立つ情報を提供する必要があるから」というものです。関係者の間では「カロリー表示よりも役立つ情報ってあるのか?」と反発する声も出ています。

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