子供との違い 中高年の虫歯は気づきにくいのに進行が早い

公開日: 更新日:

「胃や腸などの消化器官に負担をかけるだけではありません。噛み合わせが悪くなり、肩こりが起きたり、口腔内の機能が低下することで誤嚥肺炎のリスクが高まります。脳への刺激が減って認知症などにも影響します。歯列が乱れるので歯磨きがしづらくなり、さらなる虫歯を招く可能性も高くなる。中高年の虫歯は歯の喪失に直結する恐ろしい病気なのです」

 しかも中高年の虫歯は子供の虫歯と違って、「気づきにくく、進行が速い」という特徴がある。

「子供の虫歯は口のなかの細菌が糖質をエサにして酸を作り、歯のエナメル質を溶かすことから発生します。そのため、砂糖を含むお菓子などを食べるなどして咬合面にもできやすくなります」

 ところが、中高年の虫歯は、加齢や歯周病によって歯茎が後退し、露出した歯根部分に発生する。

「歯根はエナメル質より軟らかい象牙質でできており、進行も速く痛みが出にくいのです。しかも、奥歯や歯と歯の間の歯根は見えにくいため、虫歯に気づかず、発見の遅れにつながるのです」

 大人の場合、過去の虫歯治療で詰め物やかぶせ物をしているケースが多く、そこも虫歯が発生するという。

「既に何度も歯の治療をしている中高年はかぶせ物や詰め物をしている歯が多く、その内部に虫歯ができると、気がつかないうちに患部が奥深くにまで達してしまいます。とくに神経を抜いた歯の場合は、痛みを感じにくいので、発見がさらに遅れがちです」

【連載】中高年にとっての虫歯

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲