著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

辛いものを食べてから起きる激しい頭痛には要注意!

公開日: 更新日:

 激辛の料理を食べることは健康にどのような影響を与えるのでしょうか? 発汗や代謝を刺激するような効果は悪いとはいえませんが、最近注意すべき事例が、イギリスの専門の医学誌に症例報告として発表されました。

「キャロライナ・リーパー」というのは、ギネスにも認定された世界一辛い唐辛子です。この唐辛子を激辛大会のような催しで食べた34歳の男性が、その直後から頭痛を訴え、その後、「雷に打たれたよう」と表現されるような電撃的な頭痛の発作に悩まされました。病院で精密検査が行われ、付いた診断は「可逆性脳血管攣縮(れんしゅく)症候群」でした。

 これは、神経への刺激や薬の副作用などで、脳を栄養している血管が急激に縮んで、耐えがたいような頭痛が起こるという病気です。その原因が取り除かれれば、しばらくすると症状は改善します。したがって、それ自体は大きな危険はないのですが、元の血管にもろい部分があったりすると、脳内出血や脳梗塞の引き金になることも、過去には報告されているのです。

 唐辛子は「心筋梗塞の原因になった」という報告もあって、これも心臓の血管が急激に縮むことが、その引き金になっているようです。

 激辛の料理などを食べた後で、頭痛や胸の痛みが起こった時には、こうした可能性を疑って、お医者さんにすぐに相談されるのが良いのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い