NHK朝ドラで注目「ムンプス難聴」 医師が説く唯一の回避策

公開日: 更新日:

「おたふくかぜワクチンの接種が唯一の回避策です。しかし接種率が低いのは、医師の間ですらワクチンへの誤った認識があるからです」

■「今からでも受けるべき」

 まずは、副反応への誤解だ。おたふくかぜワクチンには、無菌性髄膜炎、脳炎、精巣炎などの副反応がある。ところが、国立感染症研究所によれば、血小板減少性紫斑病を除き、いずれも「自然感染(ワクチンを接種せずに感染)」の方が発生率が高い。血小板減少性紫斑病についても「自然感染が頻度不明、ワクチン接種が100万人に1人」という少なさだ。

 次に、「自然感染の方が免疫がしっかりつく」。確かに免疫はつくが、難聴のリスクを考えると、ワクチンを拒否する理由としては弱すぎる。

 さらに、「片側の耳が聞こえるのだから問題ない」という考え。確かにムンプス難聴の多くは一側性難聴だが、両側性難聴のリスクがゼロでないのは前述の通りだ。加えて、一側性難聴であってもさまざまな困難がある。

「難聴側の音が聞こえづらい。いろんな声や音が飛び交う場所では聞こえづらい。音がどこから聞こえてくるか分からない。グループで話すと相手の話を聞き取れない。“無視された”と友人から言われることが続き、自分に自信がなくなったり、引っ込み思案になることもあります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」