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名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

85歳以上で肥満の割合が減少 痩せの割合が大きく上昇する

公開日: 更新日:

 BMI25以上が「肥満」とされるのに対し、18.5未満が「痩せ」と判定されます。2016年度の調査では、男性で4.4%、女性では11.6%が痩せとなっています。

 さらに低栄養傾向の者としてBMI20以下の者の割合も示されています。男性で12.8%、女性で22.0%となっています。肥満者の割合が男性で31.3%、女性では20.6%でしたから、女性では肥満者の割合と低栄養傾向の者の割合が、ほぼ同じであることが分かります。

 肥満者の割合で見たのと同様に、10年前と比較した年齢調整後の低栄養傾向の者の割合を見てみると、男性で15.7%から13.4%へとわずかに減少傾向、女性では逆に17.7%から22.4%と増加が見られます。

 また、この低栄養傾向の者の割合を65歳以上の年齢階級別に見てみると、85歳以上で割合の増加が著しく、男性で23.9%、女性では34.3%です。85歳以上の超高齢者では肥満者の割合は減少し、その半面、痩せの割合が大きく上昇しているのです。

 肥満者の増加が明らかでない中、痩せや低栄養傾向の者の割合は女性で増加し、85歳以上の高齢者で男女とも高くなっています。しかし、肥満者に対する痩せるための情報というのは世の中に満ちあふれていますが、痩せを問題にしている場面にはあまりお目にかかりません。データは肥満者より痩せや低栄養傾向の方が問題であることを示しているにもかかわらず、そういう状況です。

 現在の日本においては、肥満の問題より、女性と超高齢者の痩せの問題のほうが重要かもしれません。

【連載】生活と健康 数字は語る

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