「雑談には無理に加わらなくてもいいと、言われラクに」

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■履歴書の書き方も長所も教えてくれた

 そのほか、ビジネスマナーや電話対応の仕方、報告・連絡・相談のいわゆる「報連相」についても詳しく教わった。なかでも、篠さんにとって役立ったのは、雑談についてのレクチャーだった。

「私は雑談が苦手で、職場でも話の輪にうまく入ることができず、そのことがとても苦痛でした。ところが、Kaienでは、職場は仕事をするところだから、仕事と関係のない雑談には無理に加わらなくてもいい、ということを教えてくれたんです。それを聞いて、ずいぶん気持ちがラクになりました」

 Kaienの訓練は週5日、朝9時から16時まで行われた。通所開始から3カ月ほど過ぎると、就職活動を開始。Kaienに寄せられている求人に応募したり、合同面接会に参加した。現在、障害者雇用促進法という法律で一定の規模以上の会社は、従業員数のうち2.2%の障害者を雇用しなければならないことになっており、どの会社も積極的に障害者雇用に取り組んでいる。この時点で障害者手帳を取得していた篠さんが選んだのも、障害者枠での就労だった。

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