全盲ドラマー佐藤尋宣さん 網膜色素変性症との38年を語る

公開日: 更新日:

 学校は、高校1年生までずっと普通校でした。しかもボクの親は“転ばぬ先の杖”を持たせないタイプなんです。先生が「尋宣くんへのサポートはどのようなことをすればいいですか?」と尋ねると、「できないことは本人に聞いてください」と言うんですよ。

 だからボクは、「こうしてほしい」と思うことは遠慮せず発言しましたし、体育の授業では「俺が尋宣と一緒に走るよ」とか「尋宣が入った時はこういうルールにしよう」とか、子供同士でいろいろ工夫するとてもいい環境でした。

■大学生で全盲に「もう来たか」と

 理不尽さを感じたのは高校受験の時です。

 当時はまだ点字が苦手だったので、墨字(点字に対しての一般的な字の意味)での受験(代読・代筆を要するのでひとり別室で行う)を希望しました。が、「前例がない」とのことで、苦手な点字で受験することになったんです。

 でも、解答欄の位置を聞いても試験官が教えてくれなくて、頭にきたボクはその後の試験の答案をすべて白紙で提出しました。抗議のつもりでしたが後日、中学の先生にも「試験を受けさせてやったのに白紙とは何だ」と叱られてしまい、憤りを感じました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?