最期まで自分らしく生きる がんの緩和的放射線療法とは

公開日: 更新日:

 一方、緩和的放射線治療とはがんを治すのが目的ではなく、痛みや苦しみをとる治療法だ。骨転移での痛みの除去、脳転移によるふらつきや意識障害を取り除くことが目的になる。

「放射線治療には、がんの根治や再発・転移のリスクを軽減するために照射する以外に神経への圧迫を取り除いて症状を和らげる緩和照射があります。根治目的の照射と違って線量を下げて行われるので高齢者や体力のない人でも受けられるのがメリットです」

■骨の痛みがとれたり、顔の腫れが引く

 50代の女性は卵巣がんの手術を受けたものの、がんが肺や骨盤、肝臓に転移。抗がん剤も思ったような効果を得られず、徐々に腹膜播種による骨盤腫瘍が大きくなった。やがて尿管を圧迫して水腎症と呼ばれる状態となり、腰痛も訴えるようになったという。

「この患者さんは放射線治療をしている最中に痛みが減っていき、7カ月後のCTでは照射された骨盤の腫瘍はすっかり消えていました。また水腎症も消えていました。残念ながらその後、脳や肝臓に転移が見つかりましたが、そのたびに放射線治療を行い、がんとの共生を図っています。がんが進行していくと、貧血が進みますが、ほかの病院ではあまりない放射線治療科病棟があるので、適切な処置を施すことができます」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも