著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

年間合計25人が死亡 「脱腸」「盲腸」を侮ると死ぬことも

公開日: 更新日:

 私の友人が昨年、鼠径ヘルニアの手術を受けました。いわゆる“脱腸”です。腸の一部が本来の位置からずれて、鼠径部つまり足の付け根のあたりの皮膚を内側から押すため、その部分がデベソのように膨らんでしまうのです。しかも力んだりすると、より大きく膨らんだり、痛みを伴ったりします。とはいえ、一般的には子供の病気とされているため、60歳近いオジサンが脱腸になるなんて、「がん」と言われるよりも驚きの“大事件”だったそうです。

 本人いわく、その前日、孫と遊園地に行き、年甲斐もなくジェットコースターに乗ったそうです。そのとき受けたG(加速度)が原因に違いないと、主治医ともども納得したそうです。

 本当にGの影響かどうかはさておき、「たかが脱腸」と侮ってはいけません。治療は手術しかない上に、放っておくと腸が血行障害を起こして緊急手術ということも珍しくありません。しかも、ときには命を落とすことさえあるのです。

 実際、2016年の統計によれば、40~64歳の中高年男性13人が、鼠径ヘルニアで死にました。加えて、腸がヘソの部分に飛び出してくる“臍ヘルニア”で2人、腹壁の隙間から飛び出してくる“腹壁ヘルニア”で2人死んでいます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」