言語発達に関連 上手にしゃべれるか否かを決める遺伝子も

公開日: 更新日:

 遺伝子的に似通っているチンパンジーにすらその能力がないのに、なぜ人間だけが言葉を話せるのか? その答えとして注目されているのがFOXP2遺伝子である。

 そもそも言葉が可能になるのは、例えば「みかん」という音の記憶と、ミカンの映像の記憶を脳内で結びつける必要がある。これを可能にする脳をつくり出すひとつがFOXP2遺伝子だ。国際医療福祉大学病院内科学の一石英一郎教授が言う。

「FOXP2は世界で初めて発見されたヒトの言語発達に関連する遺伝子です。パキスタンのKE家の家系の半数に言語障害があったため、家族のゲノムを調べたところ、正常な人と比べてDNAの塩基配列がわずか1文字違っていたのです。むろん、言語に関連する遺伝子はこれだけではありませんが、そのひとつと考えられているのです」

 FOXP2遺伝子とはフォックス遺伝子ファミリーと呼ばれる転写因子群のひとつ。DNAに特異的に結合するタンパク質で、その働きはDNAの遺伝情報をRNAに転写する過程を促進、または抑制することにある。いわば遺伝子のスイッチで、オン・オフをつかさどる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  2. 2

    長嶋一茂が父・茂雄さんの訃報を真っ先に伝えた“芸能界の恩人”…ブレークを見抜いた明石家さんまの慧眼

  3. 3

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  4. 4

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  5. 5

    (1)長嶋茂雄氏の「逆転巨人入り」は、銚子の料亭旅館の仲居さんの一言から始まった

  1. 6

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  2. 7

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  3. 8

    今秋ドラフトで割食う巨人…“恋人”の創価大・立石正広が「ミスターの後継者」候補と評価急上昇

  4. 9

    長嶋茂雄さんの「まさかの一言」で高級ブランドショップ店員は素っ頓狂な声をあげ目を白黒させた

  5. 10

    北川景子が味わった二度の挫折 仕事の間にロケバス内の猛勉強で明治大商学部に合格した努力家