著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

カルニチンが分解され…肉を食べ過ぎると動脈硬化が進む?

公開日: 更新日:

 肉を食べることは健康に良いのでしょうか? 

 肉好きの方は「食べると元気が出て、筋肉も増えるので、高齢者でもたくさん食べるのがいい」という意見を言います。一方で菜食主義の人などは、「肉は体に良くない」といった趣旨の発言をします。科学的にはどちらが正しいのでしょうか?

 牛肉や豚肉などの赤身の肉には、カルニチンという成分が多く含まれています。カルニチンは筋肉細胞の中にあって、脂質を分解するのに重要な役割を果たしています。このためカルニチンを多く取ることで脂肪の代謝が進み、ダイエットにも有効なのではないかと考えられていました。

 ところが、数年前の「ネイチャー・メディシン」という専門誌に載った論文によると「カルニチンを多く取ると動脈硬化が進行する可能性がある」という反対の結果が報告されています。

 ネズミにカルニチンを多く与えると、それが腸内細菌によって分解され、トリメチルアラニンという物質になり、さらに肝臓で代謝されてトリメチルアラニン―N―オキサイド(TMAO)という物質が増えることが確認されました。

 このTMAOはコレステロールを組織に沈着させる働きがあり、動脈硬化を進行させるという可能性が指摘されています。カルニチン自体は悪くないのですが、腸内細菌がそれを悪玉に変えてしまう、という可能性があるのです。赤身の肉の食べ過ぎには気を付けた方がいいかも知れません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状